月別アーカイブ: 12月 2013

標準

これから、依頼されてもいないコラムを勝手に書きます。

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さかのぼること約4年、2009年頃のことです。
私は突然、マルチネレコーズに出会いました。

imoutoid氏のPART3と、dj newtown氏のflying between stars(seikan hiko)に衝撃を受け
インターネットで沢山のことを調べました。

無料で音楽が聴けるということ、
自分よりずいぶん年下の人たちがやっているということ、
知ることすべてが刺激的でとてもまぶしく感じたことを覚えています。

インターネットで知った世界は、完全に閉ざされた(独立した)世界のように思え、
特に誰に話すでもなく、
自分との対話に近い聴き方をしていました。

すると、「MP3 killed The CD star ?」が発売されたのです。
フィジカルリリースです。
ひときわ目を引く大きなパッケージがCDショップに並ぶのを見て、
インターネットと自分の頭の中にしかないように思っていた世界が具現化しているのを見て、
その事実が全く飲み込めず、
ほとんど毎日CDショップに陳列されているのを確認しに行っていました。
見るたびに安心しては、手に取り、また棚に返す毎日でした。

抽象的な存在ではなく、ネットレーベルの人々は「実在する」ということを
認めざるを得ない状況は、
少しだけ私のことを苦しめました。

未知の世界は、恐怖だったのです。

とびこむ勇気は、唐突に訪れました。
ただ、大きな地震で、私はまた怖くなってしまいました。
暗い気持ちで、ニュースを見続けながら、北加賀屋のことを考えていました。

そして、その半年ほど前に、私は別の出会いも果たしています。

大阪にライブをしに来ていた、golfの対バンとしてブッキングされていた
Sugar’s Campaignという名前の、3ピースバンドです。

物理的に(電気の力で)輝いていた彼らが、
あまりに面白いので、
「面白い」というワードが頭の中を占めていました。
聴きやすいのに心に引っかかる楽曲の印象が、薄れてしまうほどでした。

演奏が終わったとき、安東さんが「かっこいい」とつぶやくのを聞いたのが、
我に返った瞬間です。
面白い、のひと言で済ましてよいバンドではないと、気づかされた瞬間でした。

まったく別の、それぞれ興味が、あるとき交差しました。
地下一階でのイベントです。
バンドとして出演予定だったSugar’s Campaignは、急遽、Seiho氏を助っ人とした非バンド形態で、
オカダダ氏とtofubeats氏も出演されていて、
ただその交差はあまり深くない角度で、
なんとなくの予感だけがそこに漂っていたのだと思います。

予感が確信に変わったのは、カブチネでした。
就職説明会にも参加できず、またマルチネの非実在感が増す中、私は東京にいました。

歌舞伎町ではなく、下北沢にいました。
ネットカフェにいました。
インターネット越しに、見るほかなかったのです。
隣に、ほとんど同じ女の子がいました。
きっと悲しかったと思います。
でも、それより、何倍も楽しくて、ドキドキする世界だと思いました。

交差した先にあったものは、
「点と線を繋い」だ三角形の先にあったものは、
山でした。

この山を登った先にあるもの、私は見てみたいのです。